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Cabernet Sauvignon と Merlot / 色調への想い

2012/12/18 (Tue)

 
 
12月18日「信濃毎日新聞」の新しく始まった大型写真企画 「色彩の自画像」にて、カベルネ・ソーヴィニヨンの仕込み作業の様子を美しい写真と素晴らしい文章で紹介して頂きました。
 
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それにあわせて、このブログでまだ紹介できていなかった今年のカベルネ・ソーヴィニヨンの様子や、取材を通して改めて感じたことなどを書いてみました。
 
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11月の始め、ワイナリーの葡萄の葉にも紅葉が始まる頃
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いよいよカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫のタイミングとなります。
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平日の収穫作業、この日は千葉の飲食店、
「TETSU流」 「富士見バル」 「千葉葡萄酒食堂ユイットル」 の皆さまがお手伝いに駆けつけてくれました。
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ありがとうございました。
 
傾いた陽の光
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ワイナリーに隣接する葡萄畑も今年から少々収穫が出来るようになり、全体を通して昨年以上の収穫量となりました。
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11月2日、今年最後の仕込み作業です。
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これから2週間程かけて醗酵させます。
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除梗破砕機も隅々まで洗浄してこれにて今シーズンの役目は終わりです。
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そして、カベルネ・ソーヴィニヨンの仕込み作業が終わればいよいよメルローの液抜き・プレス作業となります。
 
アルコール醗酵のほぼ終わったメルロ
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液抜き用のストレーナーを差し込んで、液体だけを抜きとります。
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ホースを透かして美しい色調が確認できます。
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サイドマンホールをずらし、滴り落ちるワイン。
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モロミをかき出し
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プレス機へ、
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圧搾されたワインは酵母やパルプ質などの微細な粒子が混ざり合い複雑な模様を見せます。
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液体だけに分離されたワインは再びタンクへ移されます。
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そして最後に、11月19日カベルネ・ソーヴィニヨンも同様に液抜き・圧搾作業を行い、今年の仕込み全行程は終了となりました。
それぞれの工程の様子は先ほどのメルロと同じですが、微妙に色の濃淡の違いなどが見て取れます。
 
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信濃毎日新聞社の取材を受けながらの作業。
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コンプレッサーの振動に踊るワイン。
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搾りカス、自然な美しい色。
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タンクに移されたワインは暫くすると乳酸醗酵が始まり、とがった酸味がまろやかに変わって行きます。
 
そして12月13日、例年よりも早く寒さが訪れた醸造塔で、タンクの中から上澄みを木樽に移動しました。
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これからほぼ一年間、温度、湿度共に年間を通して安定したセラーで眠りに付きます。
 
 
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カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ ボルドー地方を代表する二つの偉大な品種。
 
仕込み作業が終わり、アルコール醗酵の終わった状態で、
今年のカベルネ・ソーヴィニヨンは果実味に富み、ボリュームのある味わいと上質だけれども少々強い酸味が特徴的です。
そして、方やメルロは例年よりも軽快ではあるものの、如何にもメルロらしいと表現したくなるような暖かな丸みを感じます。
 
リュードヴァンでは2012ヴィンテージもこの二つのワインをブレンドして、
商品名 : Deux Robes Violettes (ドゥー・ローブ・ヴィオレット) 「二つの紫色のドレス」、として製品化する予定です。勿論、この紫色のドレスとは、果実の状態のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロのことを表したものです。
 
そしてこの青みがかった紫色の果実が醗酵を終えてワインとなった時、その色調は赤みがかった紫色の液体、即ち一般的にワインレッドと呼ばれる色調に変化します。
しかし、言われるまでもなくワインに造詣の深いフランスでは赤ワイン由来の色を表す呼び名にざっくりとワインレッドとひと括りにすることは無く、ボルドーとブルゴーニュとを明確に区別しているのです。しかもボルドーワインの色調にも濃い目のボルドー・フォンセと明るめのボルドー・クレールが存在するなど、色を表現する言葉一つとってみてもワインに対する親しみと深い歴史や理解を感じることができます。
 
ちょうど、信濃毎日新聞社の取材の依頼を受けた時、その内容も色にこだわった企画だと聞き、リュードヴァンのワインのパッケージには一つ一つがワインの特徴を「色」によって直接的に、または間接的に表現している事からもとても嬉しい依頼でした。
しかしながら色とは視覚の情報でありながらも時には雰囲気であったり、感情であったり、或いは温度であったりと様々な状態を表現するツールとして使われたり、
 
ワインにとってみても色調は、健全で有るか否かまたは産地や品種、ヴィンテージ毎の作柄や造り手のスタイル、熟成の度合い・・・などなど、とても多くの情報を伝えてくれるだけに、
今回の取材ではカベルネ・ソーヴィニヨンのプレス作業時の取材のみで、どれだけワインという奥深い世界やリュードヴァンのワインに対する想いを表現できるのか、少々不安はあったものの、とても素晴らしい写真と文章で紙面を飾ってくださったことに感激しております。
 
 
秋の慌ただしかった「仕込み」と言われる造りの工程が終わり、これからの僕らの仕事は最終製品としてより美しく輝くワインへと導いて行くこと。
 
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木樽に移されたワイン達はフレンチオークという天然の素材と時間の力を借りて、その色調にさらに磨きをかけて行きます。そしてより美しく輝く液体へと変貌した時、再び樽から出され、ブレンドの比率を決定し、混ざり合うことでより美しく輝き一つのワインとして完成するのです。
これからほぼ一年間、熟成の頃合いをじっくりと見極めて行かなくてはなりません。
静かなワイン造りがこれから始まるのです。
 
 
信濃毎日新聞社の方々へ、ありがとうございました。
 
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冬支度に入る葡萄畑
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