6月の葡萄畑。
日々の成長には目を見張るものがあります。
それは3日と目を離せばその成長に置いて行かれてしまうほど。
今日も次から次へと若葉を開き、自身の蔓を支える為にワイヤーにはしっかりと巻き鬚を絡ませ空へ、空へと向かってゆきます。
一通り芽欠きを終えたシャルドネ。
まるで成長を競うかのよう。
芽欠きの様子 UCVレポートはこちら
https://www.ueda.ne.jp/movie/f200906/mm0608-6.html
既に葡萄の形をした花芽をつけています。
今月末には開花を迎え、真上を向いた花芽もやがては実った自重で頭を垂らします。
こちらはメルローの花芽。
葉の形や茎の色、花芽の形にもそれぞれの個性があります。
今年からは順調ならば1t位の収穫が見込めるでしょうか。
この花芽がやがて黒い房となり、たわわに実る日が楽しみです。
こちらは繁殖力が強く、土手や荒地に自生する野ばら。
6月のひと時だけ小さく可憐な花を咲かせます。
冬場の開墾の時にはトゲの蔓が絡みつく厄介者も花の季節だけは可愛らしく思えます。
メルローと同い年、こちらはソーヴィニヨン・ブラン。
立派な垣根仕立てになりました。
葡萄の木の下に目をやれば辺り一面シロツメクサが群生しています。
花の蜜を求めてハナバチ達の楽園になっているところを見ると、草刈り作業も心が痛みます。
草生栽培なんて言葉があります。
果樹園の下草を生やせたままにする栽培方法。
リュードヴァンの畑も勿論、草だらけ。しかし、ただ一概に草といってもいろいろあります。
ここは昨年末に開墾した区画、来春にはソーヴィニヨン・ブランを植える予定。
今はむせ返すほどの濃い緑に覆われています。正体はオオブタクサ。
このまま秋までほおっておけば、その丈は3m近くまで成長します。
開墾したばかりの土地にはまず、このような大きな草が生えます。まるで他の草に日の光を与えないように上空に大きな葉を広げます。
耕作を放棄され雑木林と化した農地をいくつも開墾し観察してみたところ、放置された農地には草の中からはやがて繁殖力が強いニセアカシアやニワウルシ、野ばらなどの雑木が成長します。そしてナラやクヌギの林へと変わって行くことが分かります。
開墾して定植したばかりの葡萄畑にも間もなく畝間にはオオブタクサが茂ります。しかし草刈りを続けることで2年後には淘汰されてしまいます。
代わって勢力を増すのがシロツメクサやヘアリーベッチなどのマメ科の草花やタンポポやヒメジョオンなどおなじみの可愛らしい草花達。
しかし区画によってはこちらの意図に反してヨモギの勢力が強かったりと全てが思うようにゆかないところがまさに自然の多様性。
この多様性と付き合い、葡萄栽培に適する環境へと導くこと。
雑草と共にあることは同時に土壌生物、微生物との共存を意味し、また生物環境の豊かな土壌は踏みしめるととても心地の良い柔らかさです。
良い土壌かどうかはその感触の違いからも判断できるのです。
そんな畑では一日作業をしても足への負担も軽く、作業する人へも優しいものです。
アカスジカメムシはヒメジョオンが大好き。
7月には可憐な花が土手いっぱいに広がります。
植物の多様な環境には多くの昆虫が暮らします。
幼虫は葡萄の蔓の中に巣食うブドウスカシバ。一見、蜂のような外見ですが蛾なのです。
そんな害虫を(益虫も)食べてくれるアマガエル達。
今は水田で合唱中のアマガエルもそろそろ昆虫の豊富な山の葡萄畑へ帰ってきます。
そして野鳥が豊富なのも山の葡萄畑ならでは。
“はやにえ” これはモズの仕業。(串刺し、干からびたカエルの画像。嫌いな方は見ないで)
ショッキング画像?見たい方はどうぞ。。。クリック
食べたり、食べられたりの食物連鎖。(”はやにえ”は食べ残しかな?)
そして小鳥やヘビを食べる猛禽たち。
この春はオオタカも巣立ちました。
葡萄畑のアイドル
子キツネもまるで好奇心のかたまりのように葡萄畑をかっ歩しています。
葡萄の木の下には多くの草花が生え、そこに暮す生物、微生物達。
食物の連鎖は昆虫や両生類に爬虫類、そして鳥類や哺乳類にまで豊富に複雑に繋がり合う。
ここの葡萄畑にいるとそれを肌で感じることができるのです。
そして葡萄を栽培しワインを造る幸せもこの自然の豊かさと共にあることでより理想的なものになってゆきます。
世間で言われる自然農ではないけれども、自然の一部として僕ら自身も暮らしてゆける世界って素晴らしいですね。
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