蔵の仕事、メルロの仕込みの模様
10㎏箱で200箱程、まずまずの収量でした。
タンクの中へ運ばれるメルロ
醗酵が始まり、徐々に濃く赤く染ってゆきます。
櫂を入れる度に、ラズベリーの様な何とも言えないフルーツの香りが広がります。
そして9月の中旬から始まった収穫・仕込み作業も残すはこのカベルネ・ソーヴィニヨンのみ。
カベルネ・ソーヴィニヨンの葡萄畑はワイナリーから4km程はなれた標高550mの地点。
ワイナリーに隣接したメルロの葡萄畑よりも標高で250m程低いところに存在します。
250mも違うと気温にも大きな差が生じてきます。
この地域ではカベルネ・ソーヴィニヨンにとって酸味が落ち着くぎりぎりの標高。
それでも収穫に適切な酸味に落ち着く頃には秋も深まり葡萄の葉にも紅葉が始まっています。
収穫・仕込みをしたら最後のプレス作業は11月中旬の予定。
葡萄を潰し、醗酵させ、櫂を入れたり、搾りったり、蔵の中では醗酵による甘い香りとアルコールの香りに包まれながら、慎重に且つダイナミックに作業を行います。
長い一年のほとんどを葡萄の樹と触れ合いながらも、この仕込の時期は蔵の仕事が中心です。
たった2カ月程の仕込みのシーズンですが、僕ら醸造をする者にとってこの2カ月間は特別で幸せな時間が流れているのです。
そしてまさにワインを醸しだす為に生きているのだと実感する季節でもあるのです。
やがて仕込シーズンを終えると蔵では静かに冬を迎え、タンクや樽の中ではゆっくりと熟成が進み、ワインからはうっとりするようなブーケが開き、やがて瓶詰めの時を迎えてゆきます。
幸せな季節も、もうすぐ終わってしまう。そんな名残惜しいような仕込後半です。
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